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2020年03月02日(公開: 2019年08月30日)

運用屋で終わらない!広告代理店のためのマーケティングトレース

執筆者

黒澤友貴くろさわ ともき

ブランディングテクノロジー株式会社 執行役員。新卒でブランディングテクノロジー株式会社に入社。中小・中堅企業向けにデジタルマーケティング領域のコンサルティングを6年間行う。 現在は、営業・マーケティング・人事・財務と、領域を横断して仕事をしてきた経験を活かし、経営戦略策定や人材育成を行っている。 2018年から、マーケターの筋トレをコンセプトとしたコミュニティ「マーケティングトレース」を運営開始。現在は1000人規模のコミュニティとなり、マーケターが理想のキャリアをつくるための学習環境づくりに取り組む。


ネット広告代理店の仕事をしていると、このような課題にぶつかることはないでしょうか?

①思いつく限りの施策は全てやっているのに成果が上がらない
②目の前の作業に追われてしまい戦略を考える時間がとれない
③CPA目標は達成できているが、次の一手が見出せない

自分自身はデジタルマーケティング領域に10年間近く関わってきて、たくさんぶつかってきた課題です。

本日は、このような課題を抱えているネット広告代理店で働く方々に向けてこれから必要とされる「マーケティング思考を磨く視点」をお伝えしていきます。ネット広告代理店で働く方々の仕事やキャリアを考えるヒントを得て頂けたら幸いです。

ネット広告代理店の役割とは何か?

最初に、ネット広告代理店の役割は何か?、どのように変わってきているのか?について考えていきます。

まず、代理店の仕事はクライアントの存在ありきです。そのため、「代理店の役割=クライアントの事業成長に貢献すること」この役割については、全ての人が考えていることだと思います。次に、どうやってクライアントの事業成長に貢献するのか?具体的な関わり方を考えていきます。関わり方を3つのレイヤーで整理してみます。

①ビジョンレイヤー=事業の方向性を決める
②戦略レイヤー=ビジョンを達成するため手段を決める
③実行レイヤー=決まった要件の中で運用する

みなさんの普段のお仕事は、どのレイヤーからクライアントの事業と関わっていますか?「実行レイヤー=決まった要件の中で運用する」つまり、オペレーション業務に時間を割いている方が多いのではないでしょうか?

情報格差がなくなり、代行業務は自動化の流れ

今後、どのレイヤーの仕事が求められてくるかを考える上で、ネット広告代理店を取り巻く環境について考えてみましょう。代理店で働く人にとって重要な変化としては下記2つが考えられます。

①事業会社側のインハウス化が進む

広告運用領域ではインハウス化が進み、事業会社でも専属のスタッフが情報を集めて、PDCAを回せる環境になってきています。事業会社側にも広告運用経験のある人材が流れ、情報格差がなくなってきています。Google、yahoo!、Facebook、Twitterなどプラットフォーマーがもつ情報を知っていて、プラットフォームが推奨する方法を実践できるだけでは価値の創出が難しくなってきています

②オペレーション業務の自動化が進む

こちらはSirofuneのような自動運用ツールに代表されるように、運用はテクノロジーの発展により自動化が進んでいます。これは周知の事実だと思います。

この2つの変化からネット広告代理店に求められる役割を考えると、「③実行レイヤー=決まった要件の中で運用する」のみで価値創出を図るのは難しくなってきていると考えることができます。

広告代理店のスタッフにも求められる「一気通貫思考」

では、今後ネット広告代理店には、どのような思考を求められるのでしょうか?例えば下記のような思考ができる人だと考えています。

・CPAに行き詰まったらビジョンや戦略レイヤーからクライアントと議論し、新しいチャネルやクリエイティブの軸を発掘することができる

・商品戦略や価格戦略に立ち戻って、「そもそもマーケティング戦略が正しいのか?」と問い直すことができる

先ほどのビジョン・戦略・実行の3レイヤーを一気通貫で考えられる人が求められてくると考えています。
筆者は、この思考を一気通貫思考と定義しています。

マーケティングミックス全体を俯瞰的に捉えること

上記の一気通貫思考を、マーケティングの代表的なフレームワークである4Pに繋げて考えてみます。

現状のネット広告代理店の仕事の多くは、マーケティングミックス4Pのプロモーションに集中しています。そのプロモーションの中でも限られたコミュニケーションチャネルを最適化する役割を担っているイメージです。

運用の仕事ではなく、マーケティングの仕事をするのであれば、4P分析の全要素を俯瞰的に捉え、どのように各要素を組み替えて戦略をつくるのかを考える役割を担うべきです。

さらに、4P分析のフレームワークも単体で使うものではないため、マーケティングの基本フレームワークであれば、STP分析も行い、戦略を明確にする、必要であれば再定義していく動きができることが理想です。

全ての代理店に、上記の思考が求められるかはわかりませんが、フレームワークをフル活用して戦略議論ができる代理店は、付加価値を生み出せることは間違いないと思います。

マーケターの筋トレ- マーケティングトレースとは?

では、どのように上記のような思考を磨いていけば良いのでしょうか。本を読むことが一番わかりやすいですが、本を読むだけでは実践につなげにくい、今までも本は読んできたよ・・・という悩みを抱える方も多いのではないかと思います。

そんな方にオススメしたいのがマーケティングトレースです。

筆者は成功しているマーケティング戦略を想像しながらトレースしてみるというトレーニングを「マーケティングトレース」と定義しています。企業の商品やサービスをマーケティングのフレームワークに落とし込み分析します。例えば、自分が○○という企業のマーケティング責任者(CMO)だったら、どのように4Pの要素を設計し、さらなる成長のために組み変えていくかを考えていきます。

急に戦略を考えてほしいとクライアントから言われても、日常の中で戦略を描くトレーニングをしていないと対応が難しいはずです。代理店として、クライアントの戦略レイヤーに踏み込み議論ができるようになりたい、将来はCMOを目指したいといった方々には、日々のマーケティング思考を鍛える筋トレとして、マーケティングトレースを活用して頂きたいです。

代理店向けマーケティングトレースの実践イベント

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