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2021年12月22日(公開: 2021年12月20日)

運用型クリエイティブの事例4選!デジタル広告成功のポイントも解説

近年、デジタルマーケティングに関する新しい考え方として注目を集めている「運用型クリエイティブ」。

この記事では、運用型クリエイティブの定義や、具体的な成功事例、さらに運用型クリエイティブを成功させるためのポイントも含めて解説します。

運用型クリエイティブとは?

運用型クリエイティブとは、デジタルマーケティングにおいて、クリエイティブを量産し、効果検証、改善を行っていくことで成果の最大化を目指す考え方です。特にデジタル広告やSNSの領域で重要になってくるものとされています。

近年、新型コロナウイルスの影響もあり、ライフスタイルや価値観が大きく変化し、顧客や顧客接点は今までになく多様化しました。今まで同じセグメントと捉えていた顧客も、知らず知らずのうちに、そのライフスタイルや価値観によって実は細かいセグメントに分かれているケースもあり、単一のメッセージで訴求することが難しくなってきました。

また、SNSやコネクテッドTVなどの新しいメディアも増加しており、顧客とのコミュニケーションはますます複雑化しています。さらに、クッキーレスやアプリトラッキング透明性など、世界的なプライバシー保護の流れを受け、従来行えていたリターゲティング施策などは難しくなってきています。

こうした状況の中で、デジタルマーケティングで成果を向上させるために注目を集めているのが「クリエイティブ」です。顧客や顧客接点ごとに最適化したクリエイティブを量産し、検証・改善し続けることが成果につながると考えられ始めたのです。

このことはデータでも明らかになっています。ニールセンが発表した調査によると、デジタル広告を構成する要素の中で、もっとも購買に影響するものはクリエイティブであることがわかりました(※1)。

クリエイティブはたった一つを作るのではなく、ターゲットごとに訴求を変えるなどして量産し、検証・改善をつづけるのが重要です。

実際に、クリエイティブのテストと最適化を繰り返すことで、広告の新規購入獲得単価が23%改善したというデータや(※)、運用を通じてパフォーマンスが最高位と最下位のクリエイティブのROASの平均値の差が3倍になったという調査もあるほどです(※)。

また、デジタル広告のクリエイティブを制作する際は、配信面への最適化も重要です。例えば、通常、SNSなどではサウンドなしで利用されることが多いため、クリエイティブは音がなくても伝わるような内容にする必要があります。また、配信面によって最適な構成、デザインは大きく異なります。顧客の視聴状況や環境を考えながらクリエイティブを最適化させていく視点が重要なのです。

運用型クリエイティブの事例

では、この運用型クリエイティブの考え方を実践し、成果をあげた具体的な事例をご紹介します。

株式会社LIXIL

建物の内装に使われる壁材「エコカラット」を販売する株式会社LIXILは、Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)において動画広告に挑戦しました。まずは、エコカラットのカラーバリエーションを訴求するようなクリエイティブを制作。その後、梅雨の時期にはエコカラットの調湿性を強調する課題解決型の訴求で広告を配信しました。このようにオケージョンに合わせてクリエイティブを作り替えて改善していった結果、動画のコンバージョン率は静止画と比べて424.5%にまで向上しました。

https://markezine.jp/article/detail/37396

株式会社フジボウアパレル

男性用スポーツインナーなどのアパレル事業を展開する株式会社フジボウアパレルは、訴求メッセージのことなる4つの動画広告を配信。全てのクリエイティブはモバイルに最適化したものを使用し、どの訴求クリエイティブが最良な結果をもたらすのかを比較検証しました。結果、コンバージョン率は2.4倍に向上、57%獲得単価が向上するなど成果が見られました。

https://www.facebook.com/business/success/fujibo

株式会社オークローンマーケティング

通販ブランド「ショップジャパン」を展開する、株式会社オークローンマーケティングでは、Facebookでの動画広告で運用型クリエイティブを実施。1つの商品に対して、訴求メッセージだけを変えたクリエイティブのパターンを量産、配信し、訴求別の成果を見ながらPDCAを回していきました。結果、ROASが静止画の1.5倍にまで改善することができています。

https://markezine.jp/article/detail/37533

アールビバン株式会社

日本各地で絵画展を展開するアールビバン株式会社は、各展覧会の画像ビジュアルを用いたFacebookの画像広告を実施。展覧会が開催される都道府県ごとにターゲットを設定し、クリエイティブを配信しました。また、そのクリエイティブに用いられている画像やテキストは、複数パターン用意し、勝ちクリエイティブを絞り込んでいくことで成果向上を目指しました。結果、既存の広告と比較して獲得効率は3倍にも改善するなど、マーケティング成果に結びついています。

https://www.facebook.com/business/success/art-vivant

運用型クリエイティブを成功させるためのポイント

では、運用型クリエイティブを成功させるためには、どのような点に気をつけていれば良いのでしょうか。大きく分けて3つのポイントがあります。

①メッセージの定義

まず、その時のデジタルマーケティング施策で「誰に何をどう伝えるのか」を整理する、メッセージの定義を行います。

その広告では何を目的としているのか、ターゲットはどんな困りごとを抱えているのか、自社や競合を比較し自社でしか提供できないメリットは何なのかなどを考えていきます。

この段階でのターゲットやインサイトは絞り込みすぎず、なるべく多くのアイデアを出しておきましょう。その複数出てきたターゲットやインサイトごとに訴求メッセージをわけ、複数のクリエイティブを制作して配信することが、運用型クリエイティブを実践するための鍵となってきます。

②メディア策定

次に、配信するメディアを策定していきます。

メディアの策定は、①で定義したコミュニケーションの目的と合ったメディアかどうか、という基準で判断していきます。

たとえばBtoBのリード獲得を目的としていれば、Facebookの獲得目的広告などが相応しいでしょう。一方で、若年層向けのtoC商材の広告であれば、TikTok広告を使った方が良いかもしれません。

このような視点で、定義したターゲットにリーチできるメディアなのか、ターゲットにやって欲しいアクションまで行えるメディアなのかまで勘案する必要があります。

③運用プラン作成

次に、運用プランを作成します。どのような手順でPDCAを回していくのかの計画を立てていきます。

 

まずは、先ほどのターゲットやインサイトを鑑みて、複数の訴求軸をテストします。

例えば、家具のサブスクリプションレンタルサービスのメッセージを考えてみましょう。

家具をサブスクでレンタルしたいという顧客にはさまざまなペインがあると考えられます。

「家具にこだわりがないので費用をかけたくない」という価格面でのペインもあれば、「ずっと同じ家具で部屋をマンネリ化させたくない」という気持ちから家具を定期的に入れ替えたいという顧客もいるはずです。また「将来的に欲しい家具があるがいきなり購入して失敗したくない」と、保有することを前提にレンタルサービスが使われることもあるでしょう。

そうした訴求軸に対して、いくつかの文言パターンを考えていきます。同じ「費用をかけたくない」という顧客向けの文言でも、「月額◯◯円」などと具体的に価格を出すパターンもあれば、「ブランド家具を自宅で楽しめる」というような表現も考えられます。そういった文言違いでも成果をテストしていき、文言をを絞り込んでいきます。

その後、メリットやCTA(Call To Action)などのサブ要素を変化させながらテストし、最後にデザインをテストしていきます。

このようなフローを回していき、配信面ごとに成果の出る勝ちクリエイティブを磨き上げていくのが運用型クリエイティブのなのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。運用型クリエイティブを実行するためには、まずはその施策で届けたいメッセージを定義し、その後クリエイティブを量産・運用することが重要です。デジタルマーケティングを取り巻く環境が大きく変化している今こそ、新たな打手の一つとして、運用型クリエイティブの実践を目指してみてはいかがでしょうか。

※ Facebook調べ。300を超えるマルチセルコンバージョンリフトテストのFacebook調査。

※ Facebook調べ。SocialCode FB Eコマースマクロデータ(2017年1〜5月)。

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