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2020年01月06日(公開: 2020年01月06日)

日本の広告クリエイティブを先駆者が科学した!【アドクリナイト_レポート前編】

  • アドクリナイト

日本の広告クリエイティブ界隈はいまこんな状況になっています。

オモテに出る機会が少ない……

広告クリエイティブ部門っていろんな会社にあるけど社内で分断されがち……

広告クリエイティブについてディスカッションする場が社内外であまりない……

そこで!

「日本の広告クリエイティブを科学する本音の語り場」をコンセプトに『Ad Creative Night』を開催しました。

『Ad Creative Night』は広告クリエイターが集う、本⾳の語り場。取り巻く環境がめざましく変化していく広告業界の中で、データだけでもない、直感だけでもない、”結果”にコミットする広告クリエイティブを科学し、発展を促進するためのイベントです。

直感とデータをもとに広告をクリエイティブしつづけている方々に「令和の時代に必要とされるデジタル広告クリエイターのあり方」をとことん話していただきました。

多くの参加者に「#アドクリナイト」で学びやよかったことをツイートしてもらえました。

満足度アンケート調査の結果

それでは、多くの参加者に満足していただけたデジタル広告クリエイティブのTIPSをご紹介します。

▼アドクリナイト_イベントレポート

広告クリエイターお三方の重要メッセージ

まずは、キリンビール株式会社高柳さん、株式会社ワンスター中嶋さん、NEW STANDARD株式会社(旧株式会社TABILABO)春原さんの重要メッセージをご紹介します。

マーケティング領域だとアルコール業類でCM好感度第1位に選ばれるなど、お客さんとのコミュニケーションでも大好評です(*2)。

そんなマーケティング部で新規事業創造を担当されている高柳さんのワンメッセージはこちら!

マス・デジタル・ダイレクトのすべての領域をやってきました。それぞれやってて分かったのは評価されるクリエイティブが違ったことです。一方でここは一緒じゃん!ってところもあるなと気付きました。

なるほどな!って話がたくさんありました^ ^

どうやらマス・デジタル・ダイレクトで評価されるクリエイティブには違う点もあり、共通する点もあるそうです(気になる…)。

詳しい内容は「ビールあまり好きじゃない高柳さんがたどりついた「マスとダイレクトをつなぐクロスメディア戦略」」でご覧ください。

続いて、株式会社ワンスター中嶋さんのワンメッセージです。

新規獲得支援・ロイヤル顧客の育成・LTVの最大化を一気通貫で支援する事業などを展開する株式会社ワンスター。

アジア太平洋地域における急成長企業ランキング「FT 1000: High-Growth Companies Asia-Pacific」に選出されたり、「働きがいのある会社」ランキングでベストカンパニーを受賞したりするなど大躍進しているデジタルマーケティング支援の会社さんです。

そんな顧客インサイト分析サービス開発などをする部署の部⻑である中嶋さんのワンメッセージはこちら!

当たり前ですが、ユーザーは広告だなと思うもので興味がなければ無意識のうちにスルーする。逆をいえば、興味あるものを作れば普通に反応してくれるってことです!

そうですよね!中嶋さん。でも、どうやって興味もってもらえる広告を作ればいいの〜…泣

中嶋さん「とはいえ、どうやって反応してもらえる広告を作ればいいのー!」とつっこみたくなる人もいるんじゃないでしょうか?

ばっちり、理論的かつ体系的に反応してもらえる広告を作り出すまでのプロセスを話してくださいました。

「中嶋さんが実践しているダイレクトマーケティングをスケールさせる戦略」でご覧ください。

ラストは、NEW STANDARD株式会社(旧株式会社TABILABO)春原さんのワンメッセージです。

ミレニアルズ向けに、世界中のトピックを届けるライフスタイルメディア「TABI LABO」の運営や、カフェ&イベントスペース「BPM」などのDNVB事業を展開する、NEW STANDARD株式会社。

同社は、自社サービスの運営で得られるノウハウと知見を活かし、クライアントの企業やブランドのトータルプロモーションとビジネス課題解決を行う「BUSINESS DESIGN & BRAND STUDIO」事業を展開していて、これまで150社以上の企業のマーケティング課題を解決してきたようです。

(出典:NEW STANDARDの事業内容)

そんなBUSINESS DESIGN & BRAND STUDIO事業部の執行役員をしている春原さんのワンメッセージはこちら

クリエイティブ制作の時点から、最終的に何で評価するのかを明確化したうえでクリエイティブ設計するのが大事。読了率など検証する軸を決めておくことが重要です!

クリエイティブ制作する時に読了率・CTRなど、どの指標で評価するかコンテンツ別に設計している人はどれくらいいるのでしょう?

NEW STANDARDさんのメディアデータをもとにしたクリエイティブ制作前の仮説設計がすごすぎました…。

メディアデータを活用したクリエイティブ制作前の仮説設計の詳しい方法は「春原さんが考える「勘と経験に頼らないコンテンツの作り方」」をご覧ください。

ビールあまり好きじゃない高柳さんがたどりついた「マスとダイレクトをつなぐクロスメディア戦略」

「マス」「デジタル」「ダイレクト」の3つの領域を全部担当してきました。

それぞれやってて、評価されるクリエイティブが違うと気がつきました。一方で、ここは一緒じゃんって要素もあると気がつきました。

「マス」「デジタル」「ダイレクト」それぞれで評価されるポイントと共通して考えないといけないことをお話しますね。

「マス」でいろいろ伝えようとすると失敗する

「マス」で1番大事なのは「メッセージを1つに絞りきる」ことです。

テレビCMの15秒フォーマットがマスの代表的なフォーマットですが、あの中でいろいろ伝えようとしても視聴者に何も伝わらないんですね。

たとえば、昨年から今年にかけてめちゃめちゃ売れている本麒麟では発売時、「ここまでうまいと時代が変わる。」という商品のベネフィットが最も伝わるメッセージに絞り込み、どの接点でも伝わるようにクリエイティブが設計されています。

実際にお客さんの調査でもこのクリエイティブはめちゃくちゃ評価されました。

絞り込んだワンメッセージが伝わることを意識してクリエイティブが設計されたおかげで、成功したのかなと思ってます。

「デジタル」は共感してくれたお客さんにメッセージを広めてもらえるかが肝心

デジタルでは「人に伝えたくなるクリエイティブ」が評価されます。

デジタルネイティブのお客さんにとっては、企業からの発信よりも、近い人からの発信の方が影響力が強いと思います。

なので、共感してくださったお客さんが人に伝えたくなるクリエイティブを設計することが重要だなと思っています。

たとえば、企業がメッセージに即したテーマを用意し、お客さんが思わず人に伝えたくなる「場」を用意すると、「場」に参加したお客さんにすごく喜んでもらえて「キリンって自分たちのことわかってくれていて、いい会社だね」「ビールのみたくなるね」と言ってもらえました。

#カンパイ展

#社会人1年目の私へ

「ダイレクト」で勝つクリエイティブは圧倒的に欲しくなるもの!

「買いたい人」に「買いたくなる」タイミングで「買う」言い訳づくりをしてあげるのが一番いいかなと。

そんなこと言われたら「買いたくなっちゃうな」「買わなきゃ損する」と思ってもらえるクリエイティブにしていくといいと思います。

「9日間限定で10%OFFですよ」「今なら季節限定のクラフトビールがお得に買えますよ」といった背中を押すクリエイティブが評価されているな〜と。

共通して大事なのは「鳥の眼」「魚の眼」「虫の眼」を行ったり、来たりすること。

「マス」「デジタル」「ダイレクト」で共通して考えないといけないのは、俯瞰(鳥の眼)、流れをよむ(魚の眼)、詳細をみる(虫の目)ことですね。

どれかが重要ではなくて、それぞれの眼を行ったり来たりして自分がいまどこにいるかを把握することが重要。

鳥の眼として意識しているのは、パーセプションフロー・モデルのような顧客の接点を俯瞰でとらえられるモデルで整理することを意識しています。

(出所:Web担当者Forum「マーケティング新概念「パーセプションフロー・モデル」とは? 行動にともなう “認識・知覚” で消費者を分析」)

虫の眼だと・・・実は私はビールあまり好きじゃないんですけど(笑)、ビールが好きな方の気持ちを理解するために、できるだけお客様にお会いして、実際に乾杯しながらお話をさせていただいて、ユーザーを肌で感じて、自分に憑依させることができるくらい「この人はなんでビールを飲むんだろう」という理由を理解することが大事じゃないかなと。

こうやって鳥の眼、魚の眼、虫の眼を行ったり来たりするといいクリエイティブをつくれると思ってます。

あと、ブランドの仕事する上で一番大事だと思っているのが「原点回帰すること」です。

なんでかっていうと、一番搾りは「その時代にあった、一番おいしいビールをつくろう」というビジョンが原点なんですけど、2018年のリニューアル時にこの原点をベースに、商品や広告が見直されたことで、逆境の中でお客さまに選んでいただき、売上を伸ばすことができたんですよね。

 
自社のブランドや実際楽しんでくれているお客さんが感じているブランド価値に立ち戻り、現代に合わせて進化させることを考えることで、いいクリエイティブをつくるヒントになると思います!

中嶋さんが実践しているダイレクトマーケティングをスケールさせる戦略

「高レスを生み出す広告」ではなく「その人のためのコンテンツ」をどうやって生み出していくかが軸にあります。

その人のためのコンテンツをつくるために、株式会社ワンスターでは「訴求選定&ターゲット理解」に命をかけています。

どの会社さんでも行われている制作の流れに付け加えて、ワンスターではマーケティングシートを活用しています。

マーケティングシートを活用したクリエイティブ設計の極意

まず競合調査する時に、コストやパフォーマンスなどの情報をばーっと羅列してどこに差別化要素があるかを洗い出します。

その上で、クリエイティブの変数となる「どんな商品か」「どんな悩みを解決できるか」「どんな人が悩んでいるか」「悩みとどう向き合っているか」を抜き出して整理していきます。

そして、「悩みの理解度」と「悩みの緊急度」の2軸のマトリクスをつくっていきます。

一番右上の顕在層には「商品ゴリゴリの訴求をする」、逆に準顕在層②には「リスクをゴリゴリおして顕在層にまでナーチャリングする」といったクリエイティブの方針を決めていきます。

各象限に対して、「どういう訴求をするか」「どの順番で訴求していくか」を体系化してデータを溜めていくといいです。

春原さんが考える「勘と経験に頼らないコンテンツの作り方」

今日持って帰ってもらいたい大事なことは2コだけですね。

①クリエイティブ制作の時点から最終的に何で評価するかを明確にする

②網羅的なケーススタディを活用してクリエイティブ制作をしていく

「読了率」をもとにした意味のあるデータ分析をしよう

クリエイティブ制作時点から「読了率」を重要視しています。

でも、よく聞く読了率の話って「平均よりも低かったですね」「10%でした」とかです。

これって「それで何?」ってなりがちなんですよね。

読了率の中でも記事のどのポイントで離脱したのかを分析して、何が刺さって、何が刺さらなかったのかを明確にするのが大事

他には年齢、職業、年収などで一つひとつのクリエイティブでターゲットしたユーザーの属性をマッピングしています。

「今回のクリエイティブでは20代の子持ちの主婦にあてたかったけど、30代のおじさんにささったね」と狙いをもったクリエイティブが狙いどおりにいったかどうかを検証しています

記事内のコンテンツ/プロモーションのバランスを検証しよう

よく広告色が強い、弱いって話がありますよね。

どれくらいの塩梅が適切かわからないもんじゃないですか。

NEW STANDARDは3つのパターンに分けて読了率をもとに評価しています。

①コンテンツ多め:コンテンツ75% プロモーション25%
例)もう1ヵ国旅した気分になれる「空港」の嗜み方

②バランスよく:コンテンツ50% プロモーション50%
例)バンコクで「スマートな贅沢旅」を選ぶワケ

③プロモーション多め:コンテンツ25% プロモーション75%
例)「LCC旅」を極上な思い出にするハックが、これだ!

 

編集記事のデータを広告コンテンツの企画に活かす

記事コンテンツのユーザーデータを広告コンテンツの企画に活かすのが重要だと思ってます。

たとえば、外資の車メーカーさんで、ターゲットの年収が高い場合、TABI LABOで年収の高い層が一番みている記事を網羅的に調べ、インサイトを把握してからクリエイティブ設計しています。

編集部の小言

いかがでしたでしょうか?

広告クリエイティブ領域で活躍されているお三方のTIPSを詳細にお伝えしてきました。

デジタル広告って「成果が出ればうれしいが、どう再現していいか分からない」側面もあるのかなと思ってます。

でも、お三方のTIPSを参考にすれば、「なぜ成果が出たのか」「なぜ成果が出なかったのか」をデータ検証することで、社内にナレッジを溜めていけるのではないかなと勉強になりました!

さいごに、これまでお伝えしてきた内容を動画でまとめました。

RICHKAを褒めていただきありがとうございます(泣)

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アドクリナイトに参加してくださったたくさんの人にRICHKAを褒めていただけました(泣)。ありがとうございます!!

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【参考】

*1:PRTIMES「キリンビール史上初!金賞三冠受賞の「本麒麟」の未来 マーケターに聞く今の”お酒”市場とこれからのトレンド 9月は前年比約9割増!増税後も二桁増と好調な売れ行きを記録

*2:キリンビール株式会社代表取締役社長 布施孝之「キリンビールの成長戦略〜布施改革のこれまでとこれから〜」(2019)

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