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2021年09月27日(公開: 2021年09月27日)
拡大を続ける5G!動画マーケティング市場で起こり得る変化とは?
インターネット環境の主流は、4Gから5Gへと移行しつつあります。今後、高速かつ大容量のデータ送受信が行える5Gが主流になると、多くの企業が動画マーケティングをさらに利用することが予想されます。
しかしながら、動画広告のコンテンツが増えるほど、動画広告自体が競合関係となる可能性が高まります。
この記事では、5Gが拡大するにつれて動画マーケティング市場ではどのような変化が起こり得るのか、という点についてみていきます。
目次
5Gとは
5Gとは「第5世代移動通信システム」のことです。このシステムを利用すると、以下の特徴によって今まで以上にインターネットを快適に利用できます。5Gの特徴的な点としては以下の3つがあります。
- 高速大容量
- 低遅延
- 多数同時接続
5Gはこれらの条件を満たしていることにより、4Gと比べると通信速度が向上し、通信量が増加します。それにともない、大容量のデータが遅延することなく高速で送受信できるようになります。
4Gの場合、動画コンテンツのダウンロードに多少の時間がかかったり、オンラインゲームをプレイしていると動きが遅くなったりする点がネックでしたが、5Gを利用するとこれらの問題が解決します。
さらに、5Gは100個程度の機器や端末に同時接続することが可能です。4Gは接続できる機器や端末は数個程度に限られていましたが、5Gが利用できると、接続できる機器や端末が大幅に増加します。
そのため、5Gの環境下においては家庭内で数多くのIoT機器がインターネットに接続し、ユーザーが家電製品を遠隔で操作できます。また、家電製品が周囲の状況をセンサーで感知し、状況に応じて自動的に作動するようになります。
5Gが普及するとどうなる?
5Gが普及した場合に実現するものとしては、以下があげられます。
- 各種機器の遠隔操作
- 遠隔医療が可能に
- VR等の利用がよりスムーズに
- 4K、8K映像のスムーズな配信
それぞれについて簡単に説明します。
各種機器の遠隔操作
5Gが利用できるようになると、各種機器を遠隔操作できるようになります。
一例をあげると、家庭内で利用しているIoT機器の遠隔操作です。外出先にいながらエアコンを操作したり、照明の電源を入れたりできます。
なお、IoT機器の遠隔操作自体はインターネット環境が4Gでも利用可能ではありますが、インターネット環境が5Gになることによって、より多くのIoT機器がインターネットに接続できるようになります。
5Gの環境が整備されれば、IoTとAIによって快適な住まいで生活できる「スマートホーム」の普及が期待されます。
遠隔医療が可能に
5Gで大容量の通信が行えるようになると、遠隔医療が可能になります。
5Gの特徴の一つとして「低遅延」があります。5Gの環境下において、医師と患者がインターネットを介してコミュニケーションをとる場合、医師が話した内容は遅延することなく患者に伝わります。
医師と患者はインターネットを介して離れた場所にいながらも、5Gの環境下であれば、面と向かってコミュニケーションをとっているのと同様の感覚となります。
現在では地方の医師不足が問題となっていますが、遠隔治療が可能であれば、都市部の医師が地方の患者を診察できるようになるため、医師不足の解決にもつなげられます。
さらに、地方の患者は遠隔治療によって十分な医療サービスを受けられます。遠隔医療が行われるようになると、医師と患者の双方がメリットとなります。
VR等の利用がよりスムーズに
最先端の技術としてVR(仮想現実)やAR(拡張現実)などがありますが、これらの技術は5Gを利用することによって、より一層リアリティが感じられます。
VRとは専用のゴーグルやディスプレイを通じて見ることで、リアリティが感じられる仮想的な世界が体験できるものを指します。
また、ARとは、現実の世界の中に仮想的な存在が追加され、仮想的な存在が実際に存在しているかのように感じられる状態のことです。
VRやARがスムーズに表現されるためには高速大容量で通信が行える5Gの技術が必須となります。5Gが普及すれば、VRやARの利用が日常的なものになることでしょう。
4K、8K映像のスムーズな配信
5Gは大容量のデータを高速で送信できるため、4Kや8Kといった高精細の画像をスムーズに配信することが可能となります。
4Gの環境下では、高精細の画像を配信するためには時間がかかり、遅延してしまうケースもありますが、5Gを利用すればそのような遅延が解消されます。ライブの様子やスポーツ中継を高画質で視聴できれば、ユーザーとしては満足度が高まります。
さらに、道路工事の点検作業など、業務においてきめ細かな画像が必要な場合も5Gで配信された画像が役立ちます。高精細の画像が配信されれば、不具合が発生している箇所を簡単に見極められるため、作業の効率性がアップします。
5Gが動画に与える影響
インターネット環境が5Gになると高画質の動画を配信できるため、視聴する側としては気軽に動画を楽しめるようになります。この項目では5Gが動画に与える影響について説明します。
動画広告
動画を視聴していると、動画が始まる前、あるいは動画の途中で広告が流れることがあります。動的な広告といえばテレビでの広告が思い浮かびますが、現在では動画サイトで動画を視聴する人が増えているため、動画広告の効果が高まっています。
動画広告を配信するメリットは、画像と文字のみの広告と比べると、多くの情報を盛り込める点です。
動画広告は動的な表現ができるうえに音声によって伝えられます。また、必要に応じて音声に字幕をつけられるため、伝えたいことを特に強調したい場合には字幕をつけてインパクトを高めることができます。
これにより、数秒から数十秒程度の動画広告であっても、視聴者に対して多くの情報を伝えられます。
5Gを利用すると高画質の状態で配信できるため、視聴者によってインパクトのあるわかりやすい動画広告を配信できます。
動画LP(ランディングページ)
LP(ランディングページ)とは、ユーザーが最初にたどり着くWebサイトのページを指します。例えば、検索サイトで検索して最初に見るページや、SNSに貼られているリンクをクリックして開いたページがLPとなります。
動画広告の効果を高めるためには、LPに動画を挿入する方法があります。ユーザーがLPで動画を視聴すれば、動画を視聴し終わった後にLPの文章もじっくりと読むことが期待されます。
さらに、ユーザーに動画を視聴してもらうメリットは、商品を購入する確率が高まる点です。LPに動画を挿入すれば、動画の視聴効果に加え、LP内において文章や画像を用いた商品説明の効果も加わるため、ユーザーの商品購入をうながしやすくなります。
商品紹介動画
商品紹介動画とは、商品やサービスをわかりやすく紹介する動画のことです。
動画に出演している人が実際に商品やサービスを使い、その良さをアピールすると、動画を視聴しているユーザーとしては、商品やサービスの良さが身に染みて感じられるようになります。そのように感じると、ユーザーとしては商品やサービスを利用したい気持ちが高まるため、商品の購入につながりやすくなります。
動画のメリットは多くの情報を盛り込める点といえますが、ユーザーに商品の良さを伝えるなら、商品紹介動画が効果的です。
5G時代に抑えておきたい動画制作のポイント
5G時代を迎えると、配信する側としては高画質で見やすい動画を作成できるようになり、視聴する側としては高画質の動画を気軽に楽しめます。
このことから、5G時代には多くの企業が動画広告を作成して配信するとみられますが、多数の動画が配信されると、動画広告が競合することも考えられます。動画の差別化を図り、ユーザーに好まれる動画の制作を心がけたいところです。
この項目では、5G時代に抑えておきたい動画制作のポイントについて紹介します。
どの媒体で動画を配信するか?
動画の配信は、WebサイトのLPで行う方法がありますが、SNSを活用することもできます。SNSは画像やテキストを用いて投稿できるほかに、動画を投稿することも可能です。自社でSNSを運用しているなら、SNSでの動画配信も検討してみましょう。
なお、SNSにはさまざまな種類があり、それぞれのSNSは利用者層にある程度の偏りが見られます。
例えば、20代~30代をターゲットにするのであれば、twitterやInstagramが効果的となります。女性をターゲットにするなら、他のSNSに比べて女性の利用者が多いInstagramの利用が適しています。
そのほか、30代以上をターゲットにするのであればFacebookを、幅広い年齢層に拡散したいならLINEを利用すると動画の配信効果が高まります。
短い動画広告で端的に伝える
他社が配信する動画との差別化を図りたい場合、短い動画で端的に伝える方法があります。
動画広告をできる限り短めにとどめた方が良い理由としては、視聴者が広告をブロックしたり、あるいは広告をスキップしたりする可能性が低くなるためです。動画広告の長さは10秒以内を目安として、可能であれは5~6秒程度で端的にまとめてみましょう。
5~6秒程度の動画広告であれば、視聴者としては動画広告があっという間に終わるように感じられるため、広告のブロックやスキップをわざわざ行う必要がありません。また、短い広告は要点を端的に伝えられるため、視聴者としては思わず見入ってしまう場合があります。
動画広告を制作する側としては、情報をたくさん盛り込むために長めの動画広告を制作したいと考えるかもしれません。しかし、動画広告をスキップされずに視聴者に見てもらうために、内容を凝縮した短い動画の制作も検討してみましょう。
インタラクティブ動画の活用
そのほか、インタラクティブ動画を活用する方法もあります。インタラクティブ動画について簡単に説明すると「画面に触れることのできる動画」となります。
インタラクティブ動画の例としては、動画の途中で画面上に選択肢が現れるタイプのものがあります。複数の選択肢のうちいずれかをタップすると、選択肢に沿ったストーリーが展開されます。この動画においては、それぞれの選択肢によってストーリーの展開が変わります。
ユーザーとしては、選んだ選択肢が正しかったのかどうかをチェックするために、動画を最後まで見たいと感じてしまいます。
インタラクティブ動画を制作すれば、長めの動画であっても視聴者が途中で離脱しにくくなります。インタラクティブ動画を活用しながらユーザーの興味を引くことも有効です。
まとめ
5Gが広く普及したとき、動画マーケティング市場において発生する変化としては、動画の競合が考えられます。つまり、動画制作において工夫をこらさなければ、視聴者に動画を見てもらうことが難しくなってしまいます。
そこで検討したいことは、動画を視聴してもらいたいターゲットを絞り、ターゲット層が利用しているWeb媒体に動画を投稿することです。Webサイトのほか、SNSに投稿することも動画マーケティングとしては効果的です。
そのほか、内容を端的にまとめて10秒以内で視聴できる動画を制作したり、インタラクティブ動画を活用したりして、視聴者に興味を持って視聴してもらう方法もあります。
5G時代の動画マーケティングで大切なことは、視聴者のニーズをつかみながら動画制作に工夫を加えることです。視聴者の気持ちをつかみながら、効果が期待できる動画の制作を行いましょう。
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